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配管貫通部の保護にシーリングプラグを使っていますか?

見直しを検討すべき3つの理由

この業界では、耐火や水密区画を通過する配管をシール保護するのに、従来工法であるシーリングプラグが見直され、別の工法が採用され始めています。 その理由を解説します。

1. 長くて重いスリーブ

シーリングプラグにはスリーブが必要です。そして、耐火、気密、水密の要件がある場合には、貫通部の両側に取付ける必要があります。 配管の直径と要求される耐火性能に必要となる部品により、スリーブの長さは異なります。 そのため、ほとんどのシーリングプラグ工法では、100〜250mm長のスリーブを使用します。

スリーブが長いと、壁や床に接近した位置でパイプに継手やカップリングを取付けるのが難しくなります。また、配管の向きを変更する時も困難が生じます。 貫通部のスリーブが短いほど、限られたスペースで配管システムを敷設する際の柔軟性が高まります。  

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鋼製スリーブが長くなれば、重量も増加します。いくつもの貫通部があることを考えると、もっと軽量な工法を選んだ場合、削減できる重量はかなりの重さになると想像できます。 船舶の高速化、燃料消費効率の向上、環境負荷の低減を進めるためには軽量化が重要になります。

2. 低い施工柔軟性と高い在庫量

シーリングプラグの許容公差は厳しく、正しいサイズの選定が重要になります。 スリーブ内径や配管外径の詳細によく注意することが、適切なプラグを選定する鍵となります。 確かな寸法計測と限られた許容公差で、ピッタリ合うサイズのプラグを用意しなければならないのです。 

スリーブ内径と配管外径のバリエーションは数多くあるので、シーリングプラグの製造会社には大量の商品番号が存在します。 そのため混乱しやすく、よく選定ミスを起こす原因になります。 

施工担当者が正確な寸法を把握していない場合、厳しい許容公差の範囲から、正しいサイズのシーリングプラグを選定できないリスクが高くなります。 サイズの合わないシーリングプラグを使えば、最悪の事態になる可能性があります。 このような理由により、シーリングプラグのユーザーは、いくつもの商品番号を含む大量の在庫が必要になります。 

3. 長い施工時間 

ほとんどのシーリングプラグ工法の場合、デッキや隔壁の両側からスリーブを溶接するので、時間とコストがかかってしまいます。 構造の両側へアクセスして作業をしなければならないので、運行・稼働中の船舶や洋上プラットホームの修繕工事の場合は、作業が特に困難になります。 

シーリングプラグの施工時間については、 金属配管貫通部シールの施工比較動画をご視聴いただくか、比較分析資料をご一読ください。

両側のシーリングプラグの間にある空隙が、施工を妨げることがあります。 シーリングプラグを挿入しようと苦労し、多くの時間が費やされます。 結果、多くの施工が不完全なままとなり、性能に大きな影響を及ぼします。 

すべての施工担当者が長い施工手順に従い作業をすれば問題ありませんが、ほとんどの造船所には、スリーブの縁の内側を削ったり、両プラグ間の空気を開放させるなど、すべての手順を漏れなく行うリソースがありません。 サイズの合わないシーリングプラグを力ずくで挿入しようと、多くの時間が費やされます。あるいは、正しい取付けとは言えない状態で施工を終え、後々余計な作業が生じる結果になります。

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