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配管貫通部処理でよくある問題

…その解決方法とは

かつて、配管の貫通部が問題になることはありませんでした。 造船所では、厚肉の金属パイプを構造に直接溶接するか、フランジ継手で接続していました。 しかし、従来型の鋼管の耐食性や重量などの問題を克服しようと、代替となる配管システムを望む声が高まりました。

現在、船舶や洋上プラットフォームで使用されている配管素材は、ステンレス鋼、銅、CuNi、チタン、多層 (PE-Alu-PE)、熱可塑性プラスチック、ガラス繊維強化プラスチック材です。

新技術は新しい問題を生む

技術の進歩により品質と寿命は改善されますが、新たに克服すべき問題が発生します。

  • 管の肉厚が薄くなったこと、そして電食のリスクを避けるため、構造に直接溶接できなくなりました。
  • 熱に弱い素材のパイプだと、火災の際に溶けて消失してしまい、炎と煙の通り道となる貫通穴が残ってしまいます。
  • 耐火要求のあるデッキと隔壁の貫通部には、保護性能が認証されているシーリング処理を施す必要があります。
  • 加えて、水密、気密、あるいは耐候性にも優れたシール材が必要とされています。

このような問題はどうしたら解決できるでしょうか?

これらの進歩に相応しい今日的な配管貫通部シールの必要性が高まっています。 これまでにソリューションがいくつも開発されてきました。危険な耐火区画でもさまざまな配管材料を保護でき、それと同時に、爆風からの保護性能を持ちつつ、水やガスの漏れからも保護できるようになりました。

異種金属配管が、鋼、アルミニウム、またはガラス繊維の区画を一気通貫で通過できるようソリューションが開発され、薄肉の金属配管は次のような作業をしなくても保護できるのです。

  • 900mm長のスリーブを通す
  • 構造から450mm以上離れた位置にフランジ継手やカップリング継手を介して鋼管と接続する
  • バルクヘッドユニオンや接続継手のような部品と接続する

これらのソリューションなら、配管を切断して構造に溶接した鋼製部品に接続しなくても異種素材の配管を火災、ガス、水から保護することができます。

そのようなソリューションのほとんどが、スリーブやコーミングの溶接を必要としますが、現在では溶接不要の選択肢もあります。 その溶接不要のソリューションでも、他と同じくA級の耐火性能が得られます。 そのソリューションについてぜひ確認してみてください。 

Illustration_Non weld pipe seal - Roxtec SPM.jpg

プラスチック配管用ソリューション

熱可塑性または熱に弱い配管でも耐火区画で保護することが可能です。火災時に、軟化した配管を押しつぶして貫通穴を塞いでしまうソリューションがあります。 このタイプの配管貫通部シールなら、A級耐火区画のプラスチック配管を保護しながら、さらに水密と気密保護も実現できます。

デッキや隔壁から450mm超離れた位置でフランジ継手やカップリング継手と鋼管を接続しなくても、熱可塑性プラスチック配管を鋼、アルミニウム、またはガラス繊維複合材の区画に直接通過させることができるようになります。

したがって、最新の配管材料をデッキや隔壁へ貫通させる時に直面する問題に、古い対処法は必要なくなりました。 新しい配管貫通部シールは問題を克服し、船級協会で認証されたレベルの安全性と性能を発揮します。

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