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最高レベルの HEMP 保護を目指して

私たちは、HEMP (高高度電磁パルス) の影響からお客様の電気設備を保護するお手伝いをします。 イノベーションの水準を引き上げ、可能な限り多くを学び取るため、最も困難な事態を想定して挑戦し続けています。 私たちが念頭に置いているのは、宇宙空間での核兵器爆発による影響から完全に保護することです。

「電磁シールド用のシーリングシステムの性能を、今よりもっと向上できることはわかっています。 私たちは、地球上で最高のシステムをすでに持っていますが、それに加え、実験から得てきた知識、どう改善したら良いかのアイデアもあります」と Roxtec の EMC 担当である Mikael Grudd は話します。 

Mikael Grudd は、スウェーデンのカールスクルーナにある Roxtec 電磁波研究所で電磁シールドの開発研究をしているエンジニアの主要メンバーの一人です。 この研究所は、高度な設備機器を備えた素晴らしい所です。電磁両立性試験、電磁干渉や電磁パルスに対する遮蔽性能の試験を行うことができます。 私たちは研究所を絶えずアップグレードしていて、高電圧の用途への試験設備もあります。  

「私たちの野心のレベルは非常に高いのです」と Mikael Grudd は言います。 「私たちは優れた試験設備を活用しトップであり続けます。 最高の製品を開発するためには、自分たちで試験し測定できることが重要なのです。」     

Roxtec の EMC テクニカル・プロダクト・マネージャー Mikael Grudd をご紹介します。

破壊的な力との戦い

では、Mikael Grudd と Roxtec EMC チームが取り組んでいる課題とは何でしょうか? HEMP (高高度電磁パルス) は、地上数十キロメートル以上離れた高高度での核兵器の爆発によって発生するものです。 距離は、標的範囲と破壊のレベルに応じて決められます。    

HEMP による大混乱は、爆発それ自体によるのではなく、それにより発生する3つの電磁パルスにより引き起こされます。 1つ目は E1 と呼ばれるもので、短いですが、強力で、急速にピークに達します。 その速度は、避雷装置が反応するより速いため、繊細なマイクロエレクトロニクスを破壊します。 2つ目のパルス E2 は、雷や稲妻に似た特性を有し、一般的な落雷防止装置で安全に阻止できます。 3つ目の E3 は、持続時間が長いパルスです。 それは数分間続き、地球の磁場に一時的な歪みが生じることで、地磁気に大規模な妨害を発生させる可能性があります。 太陽フレアによって引き起こされる磁気嵐と比較されることが多く、重要インフラへ大きな被害が出ます。 E3 により変圧器が過熱し爆発するので、電力網全体を破壊・損壊する可能性があります。 電力供給が停止し、広域に存在するコンピューター、通信システム、自動車や航空機内のシステムなどを含むすべての現代の電子機器は、わずか数秒で深刻な損壊を被る危険性があります。   

HEMP アニメーション

高い損壊リスク 

その他にも、NNEMP (非核電磁パルス) と呼ばれる人為的な脅威もあります。 飛行機、ドローン、ミサイル、あるいは軍事車両に搭載されたもので、核反応なしで強力なパルスを発生させる兵器があります。 兵器の射程距離は数メートルから数キロメートルです。 

保護対策を十分施していない電気システムは、確実に HEMP や NNEMP 攻撃の被害を受けます。 ただし、電磁シールド対策をした場所やエンクロージャーの中にシステムを密閉すれば、その被害や損壊を低減させ、故障を回避することができます。

攻撃から保護するには

システムと機器部品を電磁バリアか遮蔽用の箱で密閉するのが、最も効果的な保護方法となります。 電磁パルスを迂回させて反射させるように設計されたバリアは、内部の電装機器を保護します。 HEMP (高高度電磁パルス) に対する防護の完全性を維持するには、バリアや遮蔽とともに入り口となりうるすべての箇所にも措置が必要です。 建物の壁、ドア、窓、換気装置と同様に、貫通部開口部にも注目します。 

  • 壁は導電性の材質である必要があり、構造の各部屋は継続的に電気接触している必要があります。 ドアのシールド対策は必須であり、窓はシールドバリアで被覆します。 ハニカム構造の換気は、バリアや遮蔽の外側からパルスを中に入れないためのフィルターとして使用されます。
  • 貫通部開口部とは、配線や配管の開口部を指します。 ケーブルやパイプには金属部品が含まれていて、バリアや遮蔽を突き抜けてくるため、特に注意が必要です。 金属のケーブルやパイプはアンテナのように機能してしまい、バリアや遮蔽の片側から吸収した電磁波エネルギーを反対側へ伝達するのです。 誤った方法で配線・配管をすると、せっかく講じた防護措置が台無しになります。 
     
    • 電磁バリアを貫通する配線ケーブルには、信号や電力が通る内部導体にパルスが電流や電圧を誘導しないようシールド処理を施す必要があります。 ケーブルシールドは、低インピーダンス接続で覆うバリアまたは遮蔽に接続する必要があります。
    • 電磁バリアまたは遮蔽を貫通する配管は、パイプの中から広がるのを防ぐため金属製であることが必須です。 金属はシールドとして機能し、低インピーダンス接続で覆うバリアまたはシールドに接続する必要があります。

ケーブルとパイプは両方とも、パルスから効率的に保護するため、周囲を360度囲い込む接続方法が推奨されます。

「私たちは、さらに優れたソリューションを開発するために必要なアイデアと予測、答えを持っています。 今でも効率的な保護を提供できますが、より良く、さらに使いやすい製品にしたいと考えています」と Mikael Grudd は話します。

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